こんにちは。副院長の後藤千里です。
更新がだいぶ滞ってしまいましたが、診療の情報をまた少しずつでもご紹介していこうと思っています。
今日は小児矯正についてご紹介します。
当院の小児矯正ではシークエンス咬合理論に基づいた、最小限の装置で咬み合わせを効果的に整える矯正を行っています。
このシークエンス咬合理論に基づいた小児矯正で主に用いるのは、以下の2つです。
- 1.オーバーレイ装着
- 2.ワイヤー装着
1.オーバーレイ装着
オーバーレイとは奥歯の乳歯に被せ物をすることです。症例によって、銀歯の場合やプラスチックの白いかぶせものの場合があります。
精密検査で不正咬合の原因である顎の位置を診断し、顎を正しい位置に誘導するための誘導面(ガイダンス)がオーバーレイの咬み合わせ面に付与されています。これによって、毎日日常生活をしながら、少しずつ顎の位置が正しい位置に誘導されていきます。
オーバーレイを装着すると、一時的に前歯が開いた状態(開口状態)になりますが、小児は顎の適応力が旺盛なため数ヶ月で前歯の開きがなくなります。これは顎が正しい位置に誘導されてきているということです。
開口状態でも食事等の日常生活は問題なく行えます。
2.ワイヤー装着
顎が正しい位置に誘導されてきたら、歯の位置を修正し、永久歯が並ぶスペースを作るためのワイヤーを装着します。(オーバーレイはつけたままです。)(↑写真は治療経過途中ですので、また経過をアップしていこうと思います)
顎が正しい位置に誘導されていないと、いくら歯の並びだけを整えても後戻りしやすくなったり、根本的な原因が解決されていないために問題が生じたりします。
この、顎を正しい位置に誘導する、という考え方がこの咬合理論の最大の特徴です。
単に出っ歯を引っ込める・受け口を引っ込める・ガタガタを並べる、というのは歯列の水平的な問題ですが、それだけでは不正咬合の原因は解消されません。不正咬合の原因である垂直的な問題・顎の位置を改善するという根本治療を行うことが必要です。
タイトルに『ストレスの少ない』と書きましたが、シークエンス咬合の第一人者である元神奈川歯科大学長の佐藤貞雄教授によれば、ただでさえストレスの多い子供時代にヘッドギアのような顎外固定装置を用いたり、歯を並べるための抜歯をしたりと、余分なストレスをかけることなく、必要最小限の装置で効率的な矯正を行えるようにと考案された方法だということです。
今回は小児矯正に使用する装置について簡単にお話しましたが、詳しいコンセプトなどについては、また追って記事をアップしていきたいと思います。
副院長 後藤千里
ごとう歯科 092−672−6258
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