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2017年2月27日

マイクロスコープ治療の個人的雑感

副院長の後藤千里です。

マイクロスコープ(歯科用顕微鏡。以下略してマイクロ)を使った治療をして、13年くらいでしょうか。

私が大学を卒業して1年後、当院(実家)に来たときにマイクロがありました。

これは本当にラッキーなことでした。


当時、まだまだマイクロが今ほど広まっていなかった時期に、これはいいと確信し、決断して導入した院長の目のつけどころは、本当にすごいと、今でも思います。

しかし、大変残念なことに、日常使いとしては使われておらず、ここぞというときに、覗くというような感じだったと思います。

ドクターが院長ひとりだったので、いたしかたなかったと思いますが、

正直、とてももったいないと思い

ならば自分が使ってみようと、始めは自己流で使い始めました。

最初は根管治療の確認や診査だけに使っていました。

そこから少しずつマイクロのセミナーに参加したり、本を読んだりして実践的な治療に使い始め、

今では殆どの治療にマイクロを使っています。


2015年から、マイクロの勉強会(FLAT)に参加させてもらってますが(この会の先生方に出会えたのも超幸運でした)、

この会の先生方も、マイクロが面白い、楽しい、大好き、という感が満々で、勉強熱心で情熱のあるアツい素晴らしい先生方です。熱男集団です。尊敬です。


マイクロの何がおもしろいか、すごいかと言うと

肉眼では見えない・気づかないものが、ドドーンと見えるのです。

例えば、根管内の病気の原因である汚いものが、ごっそり見え、なんで治らないのかわからない原因がはっきりと見えるのです。

第二根管や細いイスムスに感染原がたまっているのが手に取るように見え、取り除きたくてウズウズします。

ただ、

マイクロはよく見えるからすごい、その裏には、マイクロはよく見えすぎるから苦しい、もあるかと個人的に思います。

よく見えてしまう分、しっかり治すための課題も増えますし、

自分の治療の結果も容赦なく超拡大されて映し出されます。

例えば、CR充填のアラだったり、歯石の取り残しだったり、補綴物の適合度合いだったり、様々。

こういったフォローのために治療時間が長引くこともあります。。。


患者さんには、長引き、ご迷惑をおかけしますが、録画画像をお見せしてご説明すると、たいがい皆さんご理解くださいます。

時々、自分との戦いのような感さえします。(プロというのは何にせよそういうものでしょうが。)


以前、写真家の篠山紀信さんが個展をやりきったときに

『ラクではなかったけれど、楽しかった』と言っていたのが印象的でした。


ラクではないけれど、面白い、楽しい、これが好きだ、というのは

人生の醍醐味みたいなもののように思います。


私のFBでお知り合いのドクターや先輩ドクター、尊敬する先生方は、皆さん非常に勉強熱心でレベルの高い治療をされますが、共通してるのは

歯科の仕事が好きでたまらない、といったような感じがします。

好き・夢中になる、というチカラは爆発的にすごいですよね。

2017年2月26日

歯科用CT


副院長の後藤千里です。

2016年の8月から歯科用CTを導入しています。

CTは、本当にずっと欲しくて念願の導入だったのですが、実際CTがあることによって、とても助かっています。

CTとは何か、ごくごく簡単に言いますと、3次元的に撮れるレントゲン画像です。

レントゲン写真は2次元(平面)でしか写らないのに対して、CTは3次元(立体)的に歯と骨構造が写し出されるので、

従来のレントゲン写真では見えなかったものがしっかりと見えます。

今でも、CTを撮ってみて、レントゲンと印象がだいぶ違っていることがしばしばあり、驚くと同時に、『CTあって良かった〜!』としみじみ思うのです。

CTは、特に歯と歯槽骨(歯が埋まっている骨)の診査によく使います。

なので、外科手術で大変重宝します。

当院でよくCTを撮影するケースは以下の通りです。。。


♦ 下顎埋伏(まいふく)親知らずを抜歯する場合

下顎の埋もれている親知らずを抜く場合は、歯根が下歯槽管(かしそうかん)という太い神経の管に接しているかどうか、よく精査することが大事です。

抜歯処置の際、この下歯槽管を傷つけると下唇に麻痺が生じてしまうため、特に注意を払います。

また、骨に埋もれている歯の状況、根っこが曲がっているかどうか、なども見えます。


♦ 抜歯か保存できるか?の診査のため

どのくらい歯の周りの骨が失われているかを調べます。

♦ 歯周病が進行している際の、歯周再生療法が可能かどうかの精査

♦ 難治性の根尖病変や外科的根管治療(根尖切除術・再植)の精査

♦ インプラントの治療計画とシュミレーション

♦ 上顎洞の診査

♦ 過剰歯などが埋伏している場合の精査

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『今まで見えなかったものが見える』というのは、マイクロスコープもそうですが、診断の情報量がぐんと増えるので、安心感と自信の度合いが高まります。

もちろん、CTやマイクロがあるからといって、万能ではないし、ましてや、これらは診査のための機器であり、病気を治してくれるわけでもなんでもないので、

術者(私)が、それを見てしっかり診断することと、安全な手術ができるように技術を上げること、が一番大事なのです。。。


親知らずはぐいぐい押してくる

副院長の後藤千里です

親知らずは、大抵の場合、以下のような理由から抜歯したほうがいいと当院では考えています。

1.親知らずは一番後ろのとても清掃が難しい部分にはえてくるので、不潔になりやすく虫歯になりやすかったり、周りの歯ぐきが腫れたり、後々問題をおこしやすい

2.まっすぐはえていたとしても、咬み合わせにとって邪魔な当たり方をしていることが多い(干渉)

3.親知らずが形成され生え出す過程で、歯列をぐいぐい押してきて、歯列不正を作る原因となる


。。。今回は3についてお話します。


親知らずは、個人差がありますが17歳〜21歳くらいではえてきます

(もともと親知らずが無い人もいます)
歯の生える年齢.png

歯というのは、↑ 図のように歯の頭の部分から作られていきます。

赤◯が親知らずです。

歯の形成年齢.png

親知らず(歯種を8番と呼びます)は骨の中で、歯の頭が固くなり始める=石灰化開始、という時期が7〜10歳です。

そして親知らずが生え始めるのが17〜21歳

親知らずが生えた後に、歯の根っこが完成するのが18〜25歳くらいです。

つまり、親知らずは25歳くらいで完全に完成します。

この過程で、歯が成長していくのですが、現代人の多くの人が親知らずがゆったり生えるスペースがありません。

親知らずが生えるスペースはない、しかし、歯自体は成長していくのです。

すると、どういうことがおこるかというと、

親知らず1.png

歯列をぎゅうぎゅう押してくることになります。


実際の症例を次に示します。

11歳のときに通院してたお子さんが、20歳になって来院されました。
最近になって、前歯がガタガタになってきた気がするとのことでした。

親知らず4.png

写真を11歳と20歳で比べてみると、たしかに前歯の並びが窮屈になっています

親知らず3.png


パノラマレントゲン写真をみると、
親知らず2.png

親知らずがまっすぐ生えてきていますが、歯列がギューッと押されている感じが分かるかと思います。

(このレントゲン写真では、親知らずの歯根はまだ完成されてませんね)


また、

もうひとつ別の症例です。

17歳の患者さんが前歯が出っ歯になってきたような感じがするのを気にされて来院されました。

やはり、9歳のときに来院されていて、レントゲン写真が残っていたので比較することができました。
親知らず5.png

上の親知らずは手前の奥歯に引っかかって、これ以上生えることはできません。

が、歯の根っこは未完成なのでこれからもグイグイ押してくる可能性はあります。

また下の親知らずも前の歯たちを押しながら生えてきます。

で、横顔のレントゲン写真もありましたので、比較すると分かりやすいです。


親知らず6.png

9歳のときの前歯の感じが、17歳のときとは全く変わっているのがおわかりかと思います。

17歳のレントゲンでは、前歯は前突し、さらに上下の前歯同士が咬み合わない開咬(オープンバイト)を呈しています。

まさに、このイラストと同じような現象が起こっているのがわかります。
親知らず1.png

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


いかがでしたでしょうか。

親知らずが押してくる力が、こんなにも強いのかと驚きですよね。

私も実は、これを見比べたときは驚きでした。

日々、患者さんを診療させていただきながら学ぶことが多くあります。

こういった経験からも、
これはこうした方が絶対いい、または、こうしない方がいい、というのを皆さんにお伝えしていけたらと考えています。

参考文献

1.小児歯科学 赤坂守人ほか・著 医歯薬出版
2.機能的咬合構築を目指す 不正咬合の矯正治療  佐藤貞雄・白数明義・著 第一歯科出版 
白数本.jpg  

2017年2月25日

歯ぎしりの様々な症状とウィークリンクセオリー

副院長の後藤千里です

前回、歯ぎしりについておおまかにお話ししていますが、歯ぎしり自体は病的な異常運動ではなく、生理的な機能であるということでした。

歯に負担をかけない歯ぎしり(ここでは仮に『いい歯ぎしり』とします)は、ストレス反応の抑制に関わっています。

しかし、
咬み合わせの問題などから、歯に過剰な負荷となるような力が加わる歯ぎしり(=ここでは"悪い歯ぎしり"とします)が、口の中の様々な症状を引き起こします。↓


悪い歯ぎしりによる症状.png


元・神奈川歯科大教授の佐藤貞雄先生は、

『ブラキシズム(歯ぎしり・食いしばり)はほとんどの口腔疾患と関連していると言っても過言ではない』と著書の中で述べています。

また、悪い歯ぎしりと口腔疾患の関係については、ウィークリンクセオリー(weak link theory )というものがあります。

(これを日本語に訳するとなんと言ったらいいか...)

これは、悪い歯ぎしりが歯科の症状として現れる部位は、主に
①歯 
②歯周組織 
③顎関節および周囲筋組織 

ですが、症状・ダメージが①〜③のどこに現れるかは、その人その人により異なります。

例えば、

①歯が弱い(weak)タイプの人は、悪い歯ぎしりが歯の症状(知覚過敏、詰め物がとれる、かぶせものがとれる、歯が欠ける、割れる、など)として現れますが、歯周組織と顎関節にはそんなにダメージが現れません。

また、②歯周組織が弱いタイプの人は、悪い歯ぎしりによって、歯がグラグラするように歯周組織が破壊されていきますが、歯がグラグラ揺れてくれる分、歯自体は壊れず、また顎関節も壊されません。歯をグラグラさせることで、歯と顎関節を守っています。

そして、歯も歯周組織も強い人は、悪い歯ぎしりによってどこに症状が出るかというと、③顎関節に症状が現れます。
歯ぎしりをするときの歯のわずかな擦れ合う動きがスムーズにいかず、運動制限や干渉があると顎の関節は負担のかかる不自然な動きとなり、顎関節や関連する筋肉にダメージを与えます。


これらの症状は、日常臨床でとてもよく見る現象です。

みなさんが思う以上に、咬み合わせの問題や悪い歯ぎしりの力というのは、治療をおこなう上で歯科医師を悩ませる重要なファクターなのです。。。

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(参考文献より)
ウイークリンク図.JPG

ウイークリンク文.jpg

参考文献

ブラキシズムの臨床 佐藤貞雄・玉置勝司・榊原功二 クインテッセンス出版
ブラキシズムの臨床.jpg

2017年2月21日

歯ぎしりについて

副院長の後藤千里です。


咬んだとき歯にかかる力を咬合力をと言いますが、歯科治療ではこの咬合力のコントロールが非常に重要だと日々感じています。


皆さんは普通、咬む力というと、まず食事の時にものを咬む力を想像されると思いますが、
実は一日のうち食事で歯と歯が接触する時間は1日平均15分以下ときわめて短いことが、分かっています。

では、どんな時に強い力が歯に加わるのでしょうか。

歯に最も長い時間、力が作用するのは夜間睡眠時であることが最近の研究で分かっています。いわゆる歯ぎしりやくいしばりです。

睡眠時の歯ぎしり・くいしばりは一般の人の85〜90%に発現するといわれています。
つまりほとんどの人がしています。

「私は歯ぎしりはしてません」と思っている方もおられますが、音がしないくいしばり
もあります。寝ているので自覚もないし、音がしないので家族から指摘されることもありません。

そもそも、歯ぎしりは病的な異常運動ではなく、正常な運動機能であるというのが元・神奈川歯科大教授の佐藤貞雄先生の研究で示されています。

私たちは睡眠時に歯ぎしりをすることによって、ストレスの発散をしていることが、佐藤教授の研究で分かっています。

歯ぎしりをすることで、ストレスの度合を示す脳内ノルアドレナリン、ストレス反応を起こすCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)、血中ACTHレベルなどが低下します。


うちには4歳と3歳の子供がいますが、ものすごい歯ぎしりの音です。

子供は大人よりも実はストレスが多いんだそうで(毎日未知のこととの遭遇や、躾のため行動を抑制されることも多いですね)、子供の歯ぎしりは多いですし、それは心配なことではありません。


ケンカ1.JPG

(笑ってはしゃいで泣いて怒って悲しんでを全身全霊全力でやるのでそりゃストレスも多かろう...)

ケンカ2.JPG

が、しかし!

咬み合せの問題から、歯ぎしりをした時に歯に不均衡な力がかかったりすると、歯に悪影響を及ぼす事になります。

つまり、歯ぎしりには「いい歯ぎしり」が出来ている人と「悪い歯ぎしり」をしてしまう人がいます。

歯ぎしりに関して、NHKためしてガッテンがとてもわかりやすく書いてくれてます
(→こちらをクリックしてください)


悪い歯ぎしり、ガッテンでは口破壊歯ぎしり、全身破壊歯ぎしり、という恐ろしいネーミングですが、これが歯に様々な症状を起こし、日々診療する中でこの力をどうコントロールするか考えています。


歯ぎしり・咬合力が歯に及ぼす症状についてはまた後ほど!!


参考文献

ブラキシズムの臨床 佐藤貞雄・玉置勝司・榊原功二 クインテッセンス出版
ブラキシズムの臨床.jpg


2017年2月20日

エムドゲインを用いた歯周組織再生療法

副院長の後藤千里です。

昨日は福岡県西地区歯科医学会に院長と参加してきました。
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木村英隆先生のエムドゲインを用いた歯周再生療法のご講演を聴いてきました。
木村先生.jpg

エムドゲインは中等度骨内欠損には非常に有効で、失われた骨を再生してくれるのにとても有効な歯周組織再生材料です。

進行が初期から中等度であれば骨を再生させるのにもってこいですが、進行が進み重度の骨欠損になるとエムドゲインを使っても骨の再生は無理ということになってしまいます。

歯周病は自覚症状が無いうちにじわじわと進行していきます。しっかりとした検査と歯周基本治療、さらにこういった治療法で、歯を抜かなくてはならない状況を改善して歯を長持ちさせることが出来ます。

講演後会場まで迎えに来てくれた家族が休憩室に。
息子が爆睡してて笑いました。
家族.JPG



後藤千里.jpg 副院長 後藤千里
ごとう歯科 092−672−6258
医院公式ウェブサイト

ごとう歯科
http://www.gotoh-dc.com/

院長 後藤かをる

副院長 後藤千里